第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

プログラム

No

タイトル

腫脹した頸部リンパ節の質的診断において超音波ガイド下の穿刺吸引細胞診(fine needle aspiration:FNA)は外来診療で容易に行うことができる有用な検査法の1つである.しかし,採取された細胞が不十分である場合や,細胞やその背景に壊死・変性を伴う場合は診断が難しくなることがあり,注意を要する.当科で2011年1月から2015年12月までの5年間に頸部リンパ節のFNAを行い,その後に手術で組織学的に確定診断を得た114例を対象に,良悪性の鑑別における感度,特異度,正診率や,術後病理組織診断との組織型の一致率等を検討した.疾患の内訳を以下に示す.リンパ節摘出術を行った84例では,術後病理で悪性リンパ腫が53例,炎症性が19例,頸部リンパ節結核が8例,肺癌や甲状腺癌からの転移が3例,サルコイドーシスが1例であった.悪性リンパ腫ではDiffuse large B-cell lymphomaが多かった.また,頭頸部扁平上皮癌で術前FNAの後に頸部郭清術を施行した症例が30例あり,主に原発巣切除後あるいは放射線化学療法後に残存再発を疑う症例であった.30例中9例の術後病理組織診断では悪性細胞を認めず,これらは全て放射線照射後の症例だった.詳細を検討し,若干の文献的考察を加えて報告する.

2016/06/23 18:12〜18:48 P12群

操作