第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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【はじめに】「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」2010年の厚生労働省医政局長通知により薬剤師の積極的な薬物療法への参画が明記された.これにより近年,薬剤師が脈拍や血圧の測定,問診,視診,聴診,触診などによって患者の全身状態を評価するフィジカルアセスメントを施行し,薬物療法の効果の判定や副作用の早期発見に寄与するための検討が始まっている.今回,特にめまいに対する医薬連携の状況を把握するため,現在の薬剤師のめまいの認識や意識を調査し報告する.
【方法】山形県病院薬剤師会主催の「めまいについての講演会」の事前アンケートとして,研究目的に活用することに同意を得た上で回収し集計した.アンケートは(1)めまい疾患や検査などの認識,(2)めまいの副作用を疑う薬剤,(3)調剤の際の問題点,(4)患者からのめまい相談について,などの項目を選択式,記述式で構成した.
【結果】病院薬局80名,調剤薬局56名,休職中1名の計137名から回収した.(1)めまい疾患・検査等についてはメニエール病や三半規管は80%以上,眼振は55%,良性発作性頭位めまい症は32%の認識率であった.(2)薬の副作用を疑うめまいは睡眠薬,降圧薬,抗不安薬に多かった.(3)調剤の際に困ったことがあるとの回答は全体の約30%であり,「薬の使い分けがわからない」「用法が変更されている」が挙げられた.(4)患者からのめまい相談は全体で50%,「内服薬の効果がない」「薬の副作用のめまいか」などで病院より調剤薬局に多い結果であった.
【考察】今回の調査でめまい患者からの相談内容や薬の副作用についてなど,薬剤師に多くの有用な情報があることが判明した.病院薬剤師からは病棟カンファレンスなどで情報を得ることが可能であるが,調剤薬局からは疑義照会以外は難しいのが現状である.めまい患者は主に調剤薬局を利用するため,その連携については今後の課題である.

2016/06/23 18:12〜18:48 P2群

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