第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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頸部神経鞘腫は頸部腫瘤として受診される例が多く,比較的稀な疾患であり,鑑別診断上神経鞘腫を想定していなければ,臨床症状や触診,画像検査から診断することが容易でない場合がある.よって経過観察も選択肢となるため,判断に難渋する場合がある.また手術の際には,神経温存を目指し,神経刺激装置(NIM)などを用いた被膜間摘出が行われることが多くなっており,術前診断がより重要である.
今回,当院で2007年から2015年の間に頸部原発の神経鞘腫に対し,手術を施行した良性9例,悪性1例を検討した.平均年齢は53歳,男性3例,女性7例であった.術前検査のfine needle aspiration(FNA)では細胞数が少なく判定不可あるいは鑑別困難との結果となる例もみられた.FNA後に神経麻痺症状はみられなかった.術前神経鞘腫を疑っていなかった症例は1例であった.由来神経は交感神経が3例,迷走神経が3例,その他の神経が4例であった.術後明らかな神経脱落症状を生じたのが2例であり,それぞれ交感神経と迷走神経由来であった.
その他症状,術前画像検査,手術法,術後合併症などについて検討し,文献的考察を加え報告する.

2016/06/24 9:50〜10:40 第3会場

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