第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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今回,比較的稀な小児喉頭異物の症例を経験したので報告する.
症例は1歳7ヵ月の女児.X年Y日午前9時頃,朝市で魚の骨を砕いた加工食品を試食した.食後すぐに啼泣,喘鳴が出現したため,午前10時頃,某急患センターを受診したが経過観察となった.以降も喘鳴の改善なく,翌日再度小児科を受診し,気道異物の可能性を指摘され,当科を紹介された.入院時に吸気性喘鳴を認め,喉頭ファイバーでは声門下に嵌頓する白色の異物を認めた.画像精査でも喉頭部に異物を認めたため声門下喉頭異物と診断した.麻酔科共診のもと麻酔方法と気管切開の有無について方針を決定し,当科は視野展開の器具,異物摘出用の鉗子を準備し,喉頭異物摘出術へ臨んだ.手術は吸入麻酔による全身麻酔を行い,マッキントッシュ型喉頭鏡で視野展開するも異物確認が困難であったため筋弛緩薬を投与した.異物確認が可能となったため篩骨鉗子で異物摘出を行った.術後は喉頭浮腫予防目的に副腎皮質ステロイド投与を行い,呼吸状態も良好であったため自宅退院とした.
小児喉頭異物は診断が遅れることがあり,突然発症し,難治性の喘鳴やクループ様症状の出現時は充分に留意する必要がある.また異物摘出の際は麻酔科共診のもと十分な準備が必要である.

2016/06/24 9:00〜9:50 第3会場

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