第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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【背景】顆粒細胞腫は皮膚,乳房,上部気管粘膜,舌などに好発する良性腫瘍であり,食道に発生することは稀である.今回,頸部食道に発生した顆粒細胞腫を術前に診断し,機能温存手術を施行できた症例を経験したので報告する.
【症例】68歳女性.X-1年9月に行った上部消化管内視鏡検査では異常を指摘されていなかった.同年12月より嚥下時違和感を自覚し,次第に通過障害を来していった.X年9月に上部消化管内視鏡検査施行したところ食道入口部付近でスコープが通過せず,CTにて頸部食道に粘膜下腫瘤を指摘されたため,当院紹介受診.11月9日に全身麻酔下の生検にて顆粒細胞腫の診断となり,11月11日に胃食道外科,形成外科と合同で腫瘍摘出術および嚥下改善手術を行った.
【考察】外切開や上部消化管内視鏡では到達しにくい頸部食道腫瘤に対し,佐藤式喉頭鏡を用いた経口的アプローチによる生検が有用であった.術前に顆粒細胞腫の診断を得られたことにより,周囲組織を温存する術式を選択することができた.

2016/06/24 10:30〜11:30 第2会場

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