第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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2013年1月から2015年3月の間に当院でセツキシマブ併用化学療法を施行した再発・転移頭頸部扁平上皮癌(上咽頭癌を除く)18例を対象とし,抗腫瘍効果,有害事象につき検討した.根治的治療後の再発・転移に対する第一次治療としてセツキシマブ併用化学療法を行った症例を対象とし,放射線療法との併用症例は除外した.年齢は40歳から82歳(中央値67.5歳),男性15例,女性3例であった.原発部位は中咽頭6例,下咽頭5例,喉頭1例,舌3例,上顎2例,原発不明1例であり,化学療法前のperformance status(PS)は,PS0が5例,PS1が8例,PS2が4例,PS3が1例であった.再発・転移の形態は,原発巣and/or頸部再発(遠隔転移を除く)が6例,遠隔転移(原発巣,頸部再発を含む)が12例であった.第一次治療としてセツキシマブと併用した化学療法の内容はFC(カルボプラチン+5-FU)が15例,FP(シスプラチン+5-FU)が1例,パクリタキセルが1例,5-FUが1例であった.抗腫瘍効果はCR0例,PR5例,SD8例,PD5例であり,奏功率(CR+PR)は27.8%,病勢コントロール率(CR+PR+SD)は72.2%であった.有害事象はざ瘡様皮疹15例(83%),低Mg血症10例(56%),爪囲炎8例(44%),皮膚乾燥8例(44%),口内炎7例(39%),下痢3例,血小板低下3例,悪心2例,食欲低下2例,貧血2例,infusion reaction,好中球減少,末梢神経障害がそれぞれ1例であり,いずれも重篤な副作用は認めなかった.再発・転移頭頸部扁平上皮癌の第一次治療としてのFC+セツキシマブは抗腫瘍効果,有害事象の観点から認容可能な治療と考えられた.

2016/06/24 10:30〜11:30 第2会場

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