鼻中隔彎曲症に対する手術は，一般的な術式としてkillian incisionもしくはmodified killian incisionによる粘膜下窓形成術や軟骨保存手術が施行されてきた．そして近年ではL-strutに対する手術としてhemitransfixion incisionによる矯正術または外切開によるopen septorhinoplastyが施行されるようになった．しかしながら術前の術式決定は，明確な基準となる検査，基準値などはなく，前鼻鏡検査による視診にて決定しているのが現状である．そのため軽度のcaudal septal deviationや軽度の外鼻変形症例に対しては，術式決定に悩む場合がある．今回われわれは，術前に一般的な術式であるmodified killian incisionによるアプローチで矯正可能と判断するも，術中にcaudal septal deviationの矯正が必要となった症例を経験した．今回われわれが施行したcaudal septal deviationに対する手術手技について供覧し，その長所・短所について報告する．
2016/06/23 10:10〜11:10 第3会場