第78回 耳鼻咽頭科臨床学会 総会・学術講演会

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タイトル

(はじめに)アレルギー性鼻炎の外科的治療方法としては機能的に大きく分けて,1)鼻腔の形態異常を矯正するとともに,通気性を改善させる鼻腔整復術,2)粘膜表層のアレルギー反応の場を処理し,抗原抗体反応から連鎖的に生じる炎症を防止する鼻粘膜の変調手術,3)アレルギー反応を増幅する神経ネットワークを処理し,鼻アレルギーに伴う鼻過敏症状を軽減する手術に分類される.我が国において黄川田らにより考案された後鼻神経切断術(経鼻腔翼突神経切断術)は,経鼻的に中鼻道自然孔より粘膜を剥離し,鼻腔後部において蝶口蓋孔を確認し,蝶口蓋動脈に伴走している求心・遠心両神経線維束(知覚神経である三叉神経第II枝の枝,翼口蓋神経節由来の遠心性副交感神経の枝)を切断する手法である.コブレーションとは電解質溶液を介して高周波により切開・凝固を行うため,電気凝固により発生する熱が400度であるのに比べて発生する熱も70度と低く,術後の熱変成による疼痛が少ないとされている.今回,我々は後鼻神経切断術において切断方法にコブレーターを用いて容易に手術を行える方法を経験したため報告する.
(対象と方法)対象は2015年3月以降に,産業医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科,産業医科大学若松病院耳鼻咽喉科を受診し,アレルギー性鼻炎と診断され後鼻神経切断術に対してコブレーターを用いた症例を対象とした.手術は全身麻酔下に行い,アプローチ方法として経鼻的に中鼻道自然孔より粘膜を剥離し,鼻腔後部において蝶口蓋孔を確認し,蝶口蓋動脈に伴走している後鼻神経を切断する方法を行った.検討項目として併用手術,術側,術中出血,手術時間,術後出血,診断,術後出血等を検討した.

2016/06/23 10:10〜11:10 第3会場

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